豊かさとは・・・

20世紀は、「モノの豊かさ=生活の豊かさ」ということを信じて、皆社会を築いてきた。
しかし、いくら物質的に豊かになっても、また次のモノが欲しくなったり、気がついてみると使い捨てばかりで、街中にゴミが氾濫していたりしている。

何か違った見方で豊かさを感じられる視点があるんじゃないか?

世界中を色々と見回してみると、日本には「モノの豊かさよりも、ココロの豊かさを尊重する文化」があるじゃないか?

それは、日本庭園だったり、和食であったり、和服であったりと、本当は身近で日常的なのに、遠ざけてしまった数々の「普通」。
実は、自分たちの生活を貧しく堅苦しいものにしてしまったのは、自分たち自身ではないか?!

ココロの豊かさを手に入れるには、「手間をかける喜び」を楽しめるか否かにあるのかも知れない。
それは、物事ができあがっていく過程を楽しみ、できあがったものに喜び、それらをみんなで享受できることに愉しんでいく。

モノを簡単に便利に手に入れられる事もいい事だろう・・・
しかし、我々が失ってしまった「ココロの豊かさ」とは、どれだけ豊かになろうとも満たされなかった侘しさがもたらしているのかも知れない。

美しいモノに美しいと感じ、美味しいモノに本当に美味しいと感じられる豊かさとは、「ココロの通う人のつながり」がもたらしてくれる温かさが根本にあるのかも知れない。
その風景に誰と見て、その食事を誰と食し、日々の不平も愚痴も愉しさも、誰と享受するのかで捉え方がが違ってくるのではないだろうか。